相続税と贈与税の基礎控除額を比べてみよう
それでは実際に贈与税と相続税の基礎控除の違いをみてみることにしましょう。
基礎控除の範囲内であれば税金がかかりませんよ!という意味となります。もちろん特例などは除いた場合の比較となります。
(平成25年4月現在)
贈与税 |
相続税 |
|
---|---|---|
基礎控除 | 110万円/年×贈与する人数 | 5000万円+1000万円×法定相続人の数 つまり、旦那がなくなり、妻と子供2人の場合、5000万円+1000万円×3人=8,000万円となります。 |
(平成27年1月から)
贈与税 |
相続税 |
|
---|---|---|
基礎控除 | 110万円/年×贈与する人数 (変更なし) |
3000万円+600万円×法定相続人の数 つまり、旦那がなくなり、妻と子供2人の場合、3000万円+600万円×3人=4,800万円となります。 |
相続税の場合、例外を除き故人の財産の全てが対象となりますので、基本的に基礎控除額は大きくなっています。
ただし、税制改正の法案が、平成25年3月29日に成立したため、平成27年1月1日以降は大幅に引き下げとなってしまいます。
例えば、平成23年度の東京都内の土地付き注文住宅の平均的な所要資金は5,423万円です。(※)
そう考えると、今までは比較的富裕層が相続税の対象となっておりましたが、今後は都内で土地や一軒家などをもっている人など、中間層に対しても相続税が発生するケースが多くなるのではと思います。
そのため、それを回避するために補完という意味で贈与のニーズが高まると予想されます。
(※)住宅金融支援機構の平成23年度調整報告
http://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html
では相続税と贈与税の税率は?
(平成25年4月現在)
税率 | 贈与税 | 相続税 | ||
---|---|---|---|---|
課税価格 | 控除額 | 課税価格 | 控除額 | |
10% | 200万以下 | なし | 1,000万円以下 | なし |
15% | 200万円超 300万円以下 | 10万円 | 1,000万円超 3,000万円以下 | 50万円 |
20% | 300万円超 400万円以下 | 25万円 | 3,000万円超 5,000万円以下 | 200万円 |
30% | 400万円超 600万円以下 | 65万円 | 5,000万円超 1億円以下 | 700万円 |
40% | 600万円超 1,000万円以下 | 125万円 | 1億円超 3億円以下 | 1,700万円 |
50% | 1,000万円超 | 225万円 | 3億円超 | 4,700万円 |
(平成27年1月から)
税率 | 贈与税 | 相続税 | ||
---|---|---|---|---|
課税価格 | 控除額 | 課税価格 | 控除額 | |
10% | 200万以下 | なし | 1,000万円以下 | なし |
15% | 200万円超 400万円以下 | 10万円 | 1,000万円超 3,000万円以下 | 50万円 |
20% | 400万円超 600万円以下 | 30万円 | 3,000万円超 5,000万円以下 | 200万円 |
30% | 600万円超 1,000万円以下 | 90万円 | 5,000万円超 1億円以下 | 700万円 |
40% | 1,000万円超 1,500万円以下 | 190万円 | 1億円超 3億円以下 | 1,700万円 |
45% | 1,500万円超 3,000万円以下 | 265万円 | 2億円超 3億円以下 | 2,700万円 |
50% | 3,000万円超 4,500万円以下 | 415万円 | 3億円超 6億円以下 | 4,200万円 |
55% | 4,500万円超 | 640万円 | 6億円超 | 7,200万円 |
税率も平成27年1月1日以降変更となります。
上記の表は、基礎控除を除いた、「課税価格」に対する利率です。
基本的に贈与税は相続税より高く設定されているのが特徴です。
つまり、自分の資産、相続人の数などを計算して、その上ではみ出した分を贈与に回るのが最も効果的と言えます。また贈与は長い期間に渡って行うことが一番の節税になりますので長期的な計画が必要となってきます。
最後に。生前贈与を行った場合でも相続税の対象となる場合がある。
相続開始前3年以内に贈与した財産には相続税が課税されます。
例えば毎年父親から贈与を受けていた子供がいたとします。
その父親が亡くなった場合、死亡した日から遡って3年以内に贈与された財産に対しては、相続財産としてみなされることとなっています。
ただし、対象はあくまで相続や遺贈により財産を取得した人に対してのみ適用となります。
そのため、例えば相続人ではない孫や第三者に贈与を行なっていた場合などは対象とはなりません。